しかし

ただ、こちらのさいとの中の、コラム:「PHSとウィルコムの正念場」に語られているように、現在は、勢いにのっているウィルコムも、現状がまさに正念場だという状況なのです。

なぜなら、上のコラムと重複しますが、これから、携帯各社とウィルコムがサービス競争をしていくなかで、絶対に需要のある「通話定額」と「通信定額」に全てのキャリアが向かっていきます。向かっていくこと自体は、定額ブロードバンドの普及を例に挙げるまでもなく明白です。そして、現時点では、「もっとも対象がひろい通話定額」と「PC接続でも通信定額」を実現している点で、ウィルコムの優位性は揺るがないでしょう。

しかし、携帯各社は、もちろん、これらのニーズをわかっています。分かった上で、これからインフラ整備をすすめていくでしょう。そして、10年かかったウィルコムのマイクロセルインフラ以上の収容数をもつインフラを、最終的には作りだし、そして、最終的には、全ての通信事業者が「通話定額」と「通信定額」を実現するようになるでしょう。

つまり、現状では、ウィルコムがマイクロセルインフラをもち、収容数において優位な面も、やがて携帯各社が収容数をあげようと思ったとき、時間はかかるかもしれませんが、確実に追いつくということです。

まだ時間的な余裕はありますが、携帯電話各社が通話・通信定額を実現できるようになるその時までにウィルコムは、そのインフラに負けないインフラを備えておかねばなりません。そう考えると、もはや、現状の勢いに乗っている状態が最も危険であり、最も正念場であるといえるでしょう。

インフラの整備・改善、増速、収容数の増大、常に顧客の満足度を一定に保つ努力等々、今、やらなければならないことが山ほどあるというのが、ウィルコムの現状です。