W-SIM構想
ウィルコムのコアとなる戦略ともいっていいであろう「W-SIM」構想ですが、あまり一般的に認知されてはいません。
あまりはっきりと認知させないほうが良いとのウィルコムの判断なのかもしれませんが、惜しいと思います。
とはいえ、ウィルコムの市場規模から考えると多様な機種が生まれ、新規の端末メーカーを引き込むことにも成功(KES)し、さらには、もっとも大きな成功といえるW-ZERO3も、W-SIMが無ければあり得なかったでしょう。
また、W-SIMを用いたM2Mもうまくいっているようですし、やはり、W-SIM構想というのは、新しいビジネスを生み出す可能性を持っているといえます。
さて、とはいえ、一般的な音声端末に用いる場合のメリットとしてはどうでしょうか。
まず、アンテナが外部にないため、どうしても感度が悪くなってしまいます。
また、SIMを切り替えて使えるとは言っても、インセンティブ無しでは高額になってしまいますし、切り替えにオンラインサインアップが必要という点でもめんどくささがありますし、また、そもそも端末を切り替える必要性がない人には何の意味もありません。
さらには、SIM以外の部分(=ジャケット)へのサポートが甘いという欠点もあります。(W-VALUE SELECTの場合には、サポートがありますが。)
そして、SIMとジャケットの相性問題もありました(赤耳とes問題)
こうしてみると、一般的な端末という視点からW-SIMを見た場合、機能的にはあまりメリットはないのかなと思ってしまいます。
次世代PHSでも、W-SIMということなので、これからも続くのでしょうが、現状のままSIM構想を進めていくのではなく、もうちょっと改善が欲しいところです。