「2台目需要」市場まとめとウィルコム定額プランの競争力について


現状、「1台目」としてメインに据えられるのは、ドコモとauということになるでしょう。
そして、「2台目」をウィルコムソフトバンクが奪い合っています。


で、なんでそうなったかと言えば、「通話定額」サービスがあるわけです。
この「通話定額」は、ドコモもauも、その占有市場規模の大きさからして、莫大な負荷を想定しなければならないためサービスインするのは不可能に近いサービスです。


で、その「通話定額サービス」を比較してみますと、、、

ソフトバンク:1~21時だけ通話定額だが、基本料は980円
ウィルコム:24時間完全に通話定額だが、基本料は2900円

という風に、細かい点をかなり省くとこうなります。


細かい点をかなり省いているので、これだけで比較するのは間違っています。
しかし、そこまで細かい部分を見ない人も結構多いわけです。
というか、それよりも端末のデザインとか機能とかを見る人の方が多いわけです。


そう考えると、ウィルコムの通話定額プランは、「通話定額」としては、そこまで競争力があるとはいえないことになってしまいます。


ではなぜ、今回「2台目需要」に注力したはずのウィルコムがこの「通話定額」のプラン自体にテコ入れをしないのかが次に問題になります。


それは、コスト的に限界だからです。普通な理由です。
いや、プランの内容を劣化(たとえば、ソフトバンクホワイトプランと同じく1~21時に限るとか)させれば、基本料を下げるのは可能でしょう。
しかし、それでは、絶対的な収入が減ることは必至です。それはリスキーであるというのが、おそらく経営陣の判断でしょう。


では、なにで勝負するのか?…それはもちろん「ウィルコム定額プラン」しか無いわけです。
ならば、この「ウィルコム定額プラン」で勝負できるのか?…勝負できると判断したから、今回の発表でテコ入れが無かったわけです。


では、どこで勝負できるのか?…それは、「メール」です。
ウィルコム定額プランは、実は、「メールも完全に定額」なのです。


すなわち、ウィルコムから、どこに、何通、どんなメールを送ってもタダです。基本料2900円のままです。
そして、どこから、何通、どんなメールがウィルコムに送られてきてもタダです。基本料2900円のままです。

ケータイは「メールするための道具」と考える人が8割だそうです。
これが事実だとすると、「メール定額」というのは大きな訴求力となりそうです。


比較してみましょう。

ソフトバンクホワイトプラン:1~21時ソフトバンク同士の通話が無料。ソフトバンク同士のメールだけ無料。で、基本料980円。
ウィルコム・定額プラン:24時間完全通話無料。どこに送ってもどこから受信してもメールが無料。で、基本料2900円。

まだウィルコムの基本料が高い気がします。


では、ソフトバンクホワイトプランで、1ヶ月に、251文字のメールを他社宛に5通送って5通受信したとしましょう。
その場合には、「980円+315円(S!ベーシックパック基本料)+84円(1通8.4円×10通)=1379円」となります。


まぁ、要するに、ソフトバンクは、メールの料金が高いということです。
一ヶ月に、メールを全くしない人は良いのですが、「携帯を2台持とう」という積極ユーザーがメールを全くしないとも考えられません。


ちなみに、ソフトバンクホワイトプランでは、たとえば、250文字超えのメルマガ(ニュースとか天気とか新譜情報とか)を1日3通、250文字以内のメール(たとえばWEBメールの着信通知、オークションの各種通知、や株取引の約定通知など)を1日10通受信する、というだけの環境でも、月の利用料は2900円を超えてしまいます。(ウィルコム定額プラン特集:ソフトバンク定額との比較
もう一つ言えば、写メールも1通36.75円です。9秒以上のムービー写メールに至っては、1通210円です。



ウィルコム同士なら、基本料さえ払えば、通話もタダで、メールにいたっては、ドコモ・au・ソフトバンク・PCとでもすべてタダ。
もちろん、メールは、写メールも、デコ(ラティブ)メールも、ムービーメールもタダですよ。
その基本料は、2900円ですが、ホワイトプランでメールをちょこっとするより安いですよ。

ということになるわけで、確かにメールをする人にとっては、かなり訴求力があるような気がします。


その中でも、写メールもムービーメールもタダというのが、大きいわけなんですが、なぜか売れ筋になるであろう「HONEY BEE」にはカメラが無い。
というわけで、写メール・デコ(ラティブ)メールが主目的な人は、WX330Kに行くと思います。
でも、WX330Kは、端末台が実質0円じゃないようです。なんだかなぁ…