ウィルコムの現状と携帯業界の未来について適当にぼやく

ウィルコムはすでに敗者だという話 - AIR-internet-EDGE


上記のような話も出てきているので。


正直、私の感想としては上記で言われていることはもっともです。ただ…ウィルコム的には現状が奇跡と言えるほど健闘しているとも思っています。経営責任をとかいう話もでていますが、褒めたいくらいですね。


自分の予想としては、次世代PHSが始まるまでは、大幅な純減が続くと思っていました。しかし、おそらく「WILLCOM 03」(ハイエンド)と「WX330K」(ミドルレンジ)、そして「HONEYBEE」(一般〜ミドルレンジ)という端末展開のおかげで凌いでいます。
また、「WX320T」や「WX320K(R)」のような通常使用に問題のない端末が実質0円で提供されている点も大きいのではないかと思います。(法人用としても。特にWX320Tは電池の持ちが良いので。)


また、ATOM搭載のD4も、ハイエンド〜ミニノートPCを求めている方へアプローチできています。というか、あのでかさのおかげで、ウィルコムコーナーが目立つのは全体的に良いことかとも思います(私は、全く惹かれもしませんが)。
売り場といえば最近ウィルコムの売り場が広がったようにも思います。端末展開数が増えたからなのか、それとも店舗へのインセンティブが増えたからなのか。なぞですが、良いことです。


エリア展開も、光化をがんばっているようです。次世代PHSが展開できたとしても、現行PHS網はずっと活躍していくというロードマップですので、力を抜くわけにもいかないということでしょう。
また、国際展開も北京オリンピックに合わせた施策をいくつか打っています。


このように、まんべんなく最低限やるべきことはやっている印象はあります。


ただ、それが、ライバル他社に比べてあまりに見劣りするということが問題なわけですが。


イーモバイルインセンティブ攻勢(EeePCとセットでEeePCが1000円とか)は、すさまじいですし、ソフトバンクiPhoneを利用したメディア攻勢はすさまじいモノがあります。(父さん犬大好きです。)


ただ、正直、この2社に対して負けている点に関しては問題ないようにも思います。


イーモバイルについては、このインセンティブ攻勢をいつまでも続けられるというわけでもないでしょうし、実際に利用してみた感想としてもかなりエリア面で問題があります(特に地下)。
一方、ソフトバンクの勢いもそろそろ止まるのではないかと私は読んでいます。他になにか驚きのネタがあればよいのですが、iPhone以上のネタがあるとも思えません。そして、そのiPhoneは、勢いが止まったと各所で騒がれています。(あれが、100万台も売れるわけ無い。バブル時代じゃあるまいし)


逆に恐ろしいのはドコモです。正直、エリア・通信品質・料金・端末・サポート拠点数・サポート品質・通常端末の機能性などなど、ほとんどすべてにおいてウィルコムは負けています。そして、ドコモには、「2in1+家族定額」で24時間通話無料という裏技があります。2in1での不便さは目をつぶってあまりある料金・端末なので、ウィルコム定額プランにとっては脅威です。ウィルコム定額プランがつぶされるとすれば、それはソフトバンクホワイトプランではなく、ドコモの「2in1+家族定額」が原因であるようにも思えます。
また、ドコモは、エリア展開に関してもかなりの意気込みを見せていますし、ますますウィルコムピンチです。(ドコモの決意表明 - AIR-internet-EDGE


ウィルコムの2台目戦略に対し、ドコモの1台で完璧戦略は、最も脅威かと思います。


ただ、ドコモはLTEをなんとかしないといけないというめちゃくちゃ重要な仕事をもっています。なんとかすると私は思っていますが、ドコモは割と変なことをするので、このLTEで大変な時期に国際展開で無理をしたりとか変なことをし始めないか心配です。この前もiMenuの並び順をアクセス数順では無く、落札制にするとか言ってましたし(結果もアホでした)。


auに関しては、正直明るい材料を探すのが難しいですね。ただ、余力はあるので巻き返しをはかれればというところですね。クアルコムに従ってきたツケといえなくもないです。LTEを採用という流れは正しいでしょうが、しかしLTEがこけたらどうするつもりなんでしょうか。セカンドプランがあるならばよいのですが。ある種ドコモ頼りというのは、微妙ですよね。


ソフトバンクについても、ドコモ頼り(LTE)+エリクソン頼り(基地局・次世代展開)というなんともはやという感じです。総務省に通信品質について公式なお叱りをうけたのですが、パケット通信量が莫大なiPhoneをこれまた多くのインセンティブAppleに払ってまで売り出しちゃってます。私の周りでは、ソフトバンクの通信品質に悪い噂を聞かないので、なんとかごまかせているようですが、正直そのうち限界が来るような気がします。(ちなみに、ウチの自宅はソフトバンク圏外〜バリ3でも通話できない状態です。)


イーモバイルは、契約者数が伸びきっていません。あれだけのインセンティブ攻勢を仕掛けざるをえないということなのでしょうか。


一方ウィルコムは、(私の予想ではもっと落ちてるはずの)契約者数が落ちていません。


とまぁ、各社についての私の認識を上述しました。
私の認識では、ウィルコムは良く耐えているし、また必要な投資も最大限していると思っています。


ただ、正直それでは甘いというのも事実です。事実、イーモバイル便利ですし。イーモバイルの方が早いというイメージはもう定着していますし。
また、そもそもウィルコムで最大速度をだせるのがPCカード端末のAX530INだけっていうのも問題です。さっさとW-OAM TYPE-G対応のW-SIMを出すべきですし、ExpressCardの8x(Type-G)対応端末も出すべきです。SIM2枚差しで8xをやるというのなら、DDみたいなやつで2枚差しが出来るやつをとっとと出すべきです。もっと言うなら、すべての端末で800kbps出せるようにするべきです。


そんなこと、ウィルコムは百も承知でしょうが、チップサイズ・エリア・消費電力・コスト・端末サイズなどなど様々な問題がありクリアできない、もしくは、「次世代PHSチップ+現行PHSチップ」の小型化・低消費電力化の方に注力している、のどちらかだと思っています。(私は後者だと思っています。)


現状は、通常音声端末+ウィルコム定額プランで、HONEYBEEのような良い端末があれば凌げているので、その間にエリア整備+次世代PHS開発・完成という戦略が最も良いラインではないでしょうか。結局、私でも、今の経営陣みたいなことしかできないです。


そのなかで、「WILLCOM 03」は、インターフェースという部分に注力してきた、という点を評価したいとも思っています。


もうちょっと、ウィルコムを長期的にみて見守りましょうよというぼやきでした。つぶれたら、みんなでドコモに行きましょう。