ドコモがAndroidを採用する方向へ



読売Online:ドコモ携帯、基本ソフトの設計簡素化へ


読売オンラインの記事によると、ドコモがプラットフォームをgoogleが推進する「Android」に統一するようです。
その目的は、OS部分を簡素化し、各機能の部分をモジュール化することで、低価格・低機能の端末からハイエンドまでの端末開発をよりしやすくし、国際展開も出来る端末開発体制を整えようということのようです。


つい先日、SO905iCSが、ドコモから撤退か否かというような報道がありました。私は、SO705iのように、ソニーエリクソンオリジナルの開発ではなくLinuxを主体としたOEMで端末の供給を継続していくのだと思っています。
そして、この流れをドコモがAndroidを採用するという方向で全体に推し進めようとしているのだと私は受け止めました。


一応指摘しておきますが、Androidは、LinuxをOSとして採用し、その上に、いくつかのモジュールを加えて一つのパッケージとして完成した「モバイル端末プラットフォーム」であり、そのうちのひとつのモジュールとして、Googleのサービスが取り込まれているだけです。
つまり、Androidを採用するということは、LinuxSymbianに代表されるOSを主体としたプラットフォームづくりから、さらに一歩すすめてLinuxに統一しようということにほかなりません。


では、なぜLinuxではなく、Androidかといえば、それはおそらくライセンスがオープンで、かつプロアマ含めて開発者が大量に確保できるという点でしょう。それは、安価・高機能・開発時間の短縮・プラットフォームとしての魅力につながります。また、NECPanasonicというドコモの主要なメーカーがLinuxをすでに採用していることも大きいのではないかと思います。


この流れが実現すれば、ドコモの端末はすべてOSとしてLinuxを採用することになり、またその流れから、ドコモと同時にauSoftBankに端末を提供しているメーカー(PanasonicSHARPソニーエリクソン)は、auSoftBank向けの端末にもAndroidを採用するようになるかもしれません。


これは、ドコモ、そして、端末メーカー全体の抱えるジレンマをうまく解消する一手であるといっていいでしょう。

まず、割賦販売の普及によって、価格帯に差が無くなれば、ハイエンドの端末しか大々的に売れなくなるというジレンマ。
次に、一方で、海外で競争力を持つには、ハイエンドの端末では駄目だというジレンマ。
そして、開発費の高騰と開発期間の短縮化、そして、端末の販売数の下落、国内市場の飽和というジレンマです。
たくさんありますが、これの大部分を解消しようというのが、今回のAndroidの採用という流れということだと思います。


auは、すでに共通プラットフォームとしてKCP+を採用し、SoftBankもPOP-iというプラットフォームを採用しています。
ドコモだけは、共通のプラットフォームを採用していなかったので、少し遅れているとも言えます。
ただ、だからこそ、Androidを採用できたとも言えるでしょう。日本のキャリアで最もGoogleに近くなり、また、最も多くのAndroid端末を供給するキャリアになるかもしれません。


いまだAndroidの全貌ははっきりしませんが、Googleが、アメリカでの700MHz帯を取得できなかった点からしてもAndroidに力を入れてくることでしょうから、市場の期待値はかなり高いといえるでしょう。
一方で、ドコモなどが推進する次世代高速通信(LTE)についても、市場の期待値がかなり高いようです。(少なくともモバイルWiMAXよりは)
というわけで、次世代の雄ともいえる端末プラットフォームと通信方式をドコモは採用すると言うことなのです。これは、最大手らしい挑戦とも言えるような気がします。


最大手のドコモが採用という流れが、波及するかどうかは分かりませんが、影響を与えないということは無いと思います。



さて、ウィルコムなんですが、これがどうにもわからない。
現状、基本的にOSとしては、TRONか、WindowsMobileかという感じです。
ただ、W-SIMAndroidの動作実験をウィルコム本体ではないにしろやっていたので、Androidを採用する可能性が無いとはいえないと思います。
というか、SIMとAndroidを採用したプラットフォームをウィルコムが作っちゃえば、ドコモに付いていってAndroidを採用すると思われる大手メーカーも参入しやすくなりますね。
逆に大手メーカーでなくとも参入しやすくなるという点の方がウィルコムとしては大きいかも知れません。


また、Googleの考えとしては、携帯電話端末に限ったプラットフォームとは見なしていないようなので、例えばiPodに対抗するミュージックプレーヤのプラットフォームとして採用されるかも知れません。
iPhoneとiPodTouchにプラットフォーム上の差異が無いように、これは可能性が高いと思っています。
で、そこに「通信機能」を加えようというメーカーが出てもおかしくありません。
ここにウィルコムが入る余地があるのではないかと思っています。次世代PHSW-SIMならば、通信速度・容量も問題ありませんし、なにより開発が容易になります。


というわけで、ウィルコムも、早急にAndroidを基軸としたW-SIMプラットフォームを作ってしまったらどうでしょう、という話でした。
まあ、京セラがW-SIMに関わってこない限り無理かも知れませんが、次世代PHSW-SIMネットインデックスが作るとも限りません。
リスクヘッジとして、ネットインデックスとアルテル以外にもう一者、そこに京セラが次世代PHSのSIMをというのもおもしろいかも知れません。


中国での次世代PHS展開への後押しにもなりますし、どうでしょう、ドコモのAndroid展開に乗ってみるというのは。
Android用のおサイフケータイモジュールもドコモが作ってくれそうですし、利用しやすいかも知れません。


そんな提案・妄想でした。まとまっていない文章ですいませんが、時間もないので、このまま載せちゃいます。


以下、参考リンク

AndroidのUIスクリーンショット写真集 : Gizmodo Japan(ギズモード・ジャパン)