W-SIM→Android対応作業についての資料公開

日本Androidの会|勉強会|W-SIMでAndroid携帯

W-SIMを使って、Androidで、SMSの送受信および通話を実現するまでの作業についてPDFファイルがアップされています。
非常に興味深い内容で、特にここまでの作業量としては、一人月程度とのこと。
汎用性が高い技術を組み合わせて、良いものをつくりだすという典型ですね。
(↑エクセルファイルよりもCSVファイルが大好きな私です。)

ウィルコム対応アプリコンテンツについて一言だけ

ちょっと前回は、間を置いてしまったので、ちょいちょい更新しようと思い、エントリー。

WX340Kに惹かれているので、通常音声端末についていろいろ思い出し中。
ずっと、Advanced W-ZERO3[es]+「9(nine)」で、いまいち通常音声端末とは違う世界(「9(nine)」は通常音声端末ともいえなくもないが、コンテンツ対応度は悪いし、端末容量も無いなどあまり楽しめない。さくさくWebだけど。)だったので、だいぶあの感覚を忘れました。

一つ気になったのは、Javaアプリについて。W-ZERO3でもJavaアプリは使えますが、結構再インストールするので、あまり購入したくなく、一つ試しにアプリを買った程度。(そもそも、通常のアプリケーションを探した方が良いし。)

で、さっき、ウィルコムのアプリページを見てみた。
WILLCOM|CLUB AIR-EDGE|ゲーム・アプリ


…少なっ。


でも、これだけ増えたのか〜…という感じ。

どうでも良いのだけれど、ウィルコムのアプリは、(例えば「iアプリ」のような)総称が無いな。ブーム去った後だしいいやって感じなのかな。

で、気になったのは、課金方法。
一部、月額いくらみたいだけれど、基本的には買い切りタイプみたいで安心した。

というか、今更ながら考えてみると、GREEモバゲータウンやらが無料でゲームを配布してしまうと、携帯電話向けゲームはもう売れないような気もする。基本的に携帯のゲームにクオリティ求めないだろうし。暇つぶしにさえなれば、OK、という人が多いならGREEモバゲータウンに行ってしまうだろう。

その点、ウィルコムは良い。GREE対応してないし。モバゲータウンも対応してないし。そのかわり、ARPUが低くコンテンツを買う人が少ないうえに、さらにそもそもの契約者数が少ないので、やっぱりダメだけど。
そこらへんが、Flash Lite3.0対応となることで、GREEモバゲータウンFlashアプリに対応できるようになるかもしれない。そこらへんは、若い人に売るには必須かとも思うので、ぜひ対応するようウィルコムには働きかけてほしい。

パケット通信端末としてのウィルコム

メールは無料(ドコモ絵文字使用可能。他キャリアとも絵文字変換可能)。070同士の通話が無料。mixiモバイル対応に加えて、GREEモバゲータウン、それから各種プロフサイトに対応となれば、新つなぎ放題+話し放題オプションで5000円を切る月額。

こうなると、結構魅力的かも?しれない。…ここまでやっても、まだ疑問符が付くな。やっぱりまだまだメイン端末市場を狙うのは難しいのかもしれない。

「WILLCOM CORE」は、XGPではなくサービスの総称に

ウィルコム,次世代PHSサービスで携帯電話の3G網も利用可能に:ITpro

同社の次世代サービス「WILLCOM CORE」については,従来は“次世代PHSWILLCOM CORE”と位置づけていたが,今後は次世代PHSだけでなく,3G,従来のPHS無線LANと複数の通信手段を利用して快適に通信できるサービス全体をWILLCOM COREと位置づける

というわけで、上記記事によると、「WILLCOM CORE」は、もっと広義に定義されるようです。これは、3GのMVNOなどを含めたサービスと定義することで、「いつでもどこでもより良いサービスを利用できる」のが「WILLCOM CORE」ということになります。ブランド戦略としては正しいような気もします。また、これによって「WILLCOM CORE」は、対「LTE」という概念ではなくなったので、単純なスピードの比較をされにくくなったとも言えます。(「XGP」対「LTE」ならあるけれど、「XGP」は一般に流布される名称じゃないし。)

このように定義されると言うことは、シームレスに「XGPPHS・3G・WIFI」を切り替えることができるようになるということかもしれません。MVNOがどう実現するかはわかりませんが、「XGPPHS」のデュアル端末だけでなく、「XGPPHS・3G」のトリプル端末も出してきそうです。W-SIMだと、難しそうですが…。

ただ、最近ですと、PCMICIAカードは主流とは言えない(私は搭載ノートPCを使用していますが)ので、そこが微妙ですね。PCMCIAに上記3つを放り込むのはそこまで難しくはないでしょう(物理的に、という意味。電波、電磁波設計などは別の話。)が、Expressカードやら、USBメモリサイズに、となると今のところはかなり難しそうです。

・テキトーな予想

あくまでテキトーな予想ですが、「XGPPHS」と、「XGP+3G」の2種類の端末が最初に出るような気もします。ただ、これだと間違いなく「XGP+3G」の方が売れそうです。前者が安く、後者がちょい高いだとしてもです。微妙な感じはいなめないですね。

上記は、データ通信端末の話ですが、音声端末としては「PHS+3G」が出てくれるとかなり嬉しいですね。(MVNOのやり方次第でしょうが)通話範囲が爆発的に増えますし、実現はそこまで難しくはなさそうです。

もういっそのこと、MVNOで「3G」だけのデータ端末と、「3G」だけの通話端末を出せば良いか、とも思ったりしますね。ただ、こうなるとウィルコム端末のメインベンダーである京セラがW-CDMA端末を出していないと言うことで、端末の供給をどうするかという点が気になるところではあります。

以上、MVNOがそんな都合良く行くのかどうかという疑問そっちのけでの妄想でした。
ぶっちゃけ、そんなにうまくいくような気がしないです。続報に期待したいところです。

・今年はいろいろ楽しそう

今年は、4月下旬?からXGPの試験サービスが始まりますし、今年中には「WILLCOM CORE」開始です。7月にはモバイルSuicaも開始ですし、いろいろ楽しみです。個人的には、インフラの方の発展も大事かとはおもいますが、端末のベンダーが増えてほしい今日この頃です。「WILLCOM CORE」が盛り上がると、対応端末が出ないW-SIMは盛り上がりに欠けると思いますので。

最後に、「WILLCOM CORE」の情報を集めているサイトを発見したので、リンクしておきます。

WILLCOM COREの情報を集めるサイト - TOP

LTEへの1.5GHz帯の割り当て、10MHz幅か、15MHz幅に

3.9G導入に向けた追加周波数は4枠に,総務省が免許方針案を公表:ITpro

総務省は,1.5GHz帯と1.7GHz帯に新規・既存事業者を問わず最大4社に対して10MHz幅,15MHz幅を割り当てる方針を示した。内訳は1.5GHz帯が10MHz,10MHz,15MHzの3枠,1.7GHz帯が10MHzの1枠

整理すると、

1.5GHz帯:3社(15MHz幅、10MHz幅、10MHz幅)
1.7GHz帯:1社(10MHz幅)


おそらく、結論は、

1.5GHz帯:ドコモ(15MHz幅)、KDDI(10MHz幅)、ソフトバンクモバイル(10MHz幅)
1.7GHz帯:イーモバイル(10MHz幅)

となるでしょう。(ドコモとKDDIは逆かもしれませんが)


※(09/01/25 20:52追記)
よく資料をよんでなかったので微妙に事実と異なっていたりしました。
より詳しい正しい説明があるので、こちらを参照してください。
firstlight の ルドビコ式ウェブログ: 571 1.5GHz帯(次世代携帯向け)の割り当て方針が出る(イーモバイル大勝利)


まぁ、1.5GHz帯の方はまだ一悶着あるとしても、1.7GHz帯にイーモバイルを割り当てるという点については、ソフトバンクモバイル以外反対する理由が無いうえに、イーモバイルも望んでいる形なのでほとんど決まりでしょう。3.9GじゃなくてHSDPAでもとりあえず良いよと総務省が言っていることからもそれがうかがえます。

それはいいとして、問題は、LTEが多くとも15MHz幅しかもらえないという点です。ウィルコムが前回取得した2.5GHz帯は、20MHz幅(2015年から30MHz幅)となり、高速化という点ではそれだけ有利です。ネットワーク容量的にはマイクロセルという地味な必殺技があるので、とりあえず幅は問題ありません。問題は、10MHz〜15MHz幅ではカタログスペック100Mbpsというのすら難しいのではないかという点です。

とはいえ、LTEは、1.5GHz帯だけで展開されるわけではないですが、こういうことを考えてドコモはHSDPAやHSUPAへの投資をあれだけしてきたということなのかもしれません。そう考えると、ウィルコムはドコモと面の点で協力し、逆に今度は速度の面でXGPをドコモがMVNOするという事も考えられるかもしれません。(無いと思いますが)。

とりあえず、このままではLTEのカタログスペックが微妙な感じになるという点と、BWA(モバイルWiMAXXGP)が主役の時代がしばらくありそうという点の確認でした。

11月末からのウィルコム関連ニュースについてコメントしていきます。

・IR情報更新(http://www.willcom-inc.com/ja/corporate/outline/ir/index.html

ARPUが、3070円まで低下している。解約率は、0.2%減っているが、このARPU+純増数では厳しいだろう。
ただ、現状ウィルコムはその程度のサービス・コンテンツしか提供できていないという事でもあるようにも思う。音声もデータも。
ただ、確かにウィルコム定額プランのパケット料はかなり安いので、そこをてこ入れする「新ウィルコム定額プラン」(09年1月発表)はそういう意味では納得できる。てこ入れしてパケット料値上げしても、まだまだ安いけど(単価、上限ともに)、速度が遅いから仕方がないというところか。

・「WILLCOM D4」は、XGPにも対応予定との記事

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/1126/netbook10.htm

XGP対応SIMで対応かどうかは、不明とのことだった。
まあ、がんばれば、最初のうちでも「USB→PCMCIAカードアダプタ」+「PCMCIAカード型XGP端末」でできなくもないからね、たぶん。(消費電力とか厳しそうだけど)

D4は、ネットブックの波に埋もれてしまったけれど、最近、ウィルコムファン+αからは、見直し論がちょいちょい出てきている気がする。
やはり軽くて小さい、ぎりぎりPCではなく、スマートフォンに入っているともいえなくもないサイズ感というのは、なかなか無いようだ。

W-ZERO3シリーズで「エッジEメール」を利用して爆速メール送信

WILLCOM NEWS LABO | SpeedMail http://labo.willcomnews.com/?cid=46810
→As Time Goes By: Z3Plus Version 0.00o http://yuukinet.seesaa.net/article/110136845.html

この頃から、自分は「Speedmail」に切り替えた。ただ、通常音声端末(「9(nine)」含む)だと、Eメール送信は我慢できないほど遅くはない。問題はウィルコムと言うよりWindowsMobileのダイアルアップ速度そのものにあるようにも思う。
ダイアルアップを不要とする上記2つのソフトは、W-ZERO3だと本当に重宝する。

・「WILLCOM CORE」の現状を説明

【mobidec2008】 ウィルコム、次世代PHSの現状を説明 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/event/43000.html

マクロセルもしていく宣言。まぁ、そりゃ当然だよね。というか、都市部以外はマクロセルじゃないと採算合わないよね。XGPでは、現行PHSよりもずっと少ない基地局数で現行よりも広い面カバーが出来ることがなにより重要かと考える。

他社比較の優位性はもちろんマイクロセルだけれど。ただ、ドコモの基地局数が今すごいことになってる(7万)ことを考えると、マイクロセルが無いキャリアでも全力でエリア整備に取り組めば、それなりのマイクロセル化が出来るということが分かってしまった。となると、ホントに都市部以外はマイクロセルの優位性はほとんどないだろう。

となると、やはり面だな。ウィルコムに関してはマイクロセルのおかげでネットワーク容量の心配はしていないが、面的な面でかなり心配。地下や、レジャー(富士山5合目とか)、島、海上などまだまだなところが、現行PHSでは散見されるし。

XGPでは音声をながさないようだが、XGP+現行PHSの多重展開とすることで、現行PHSの面整備も変わるだろう。データトラフィックXGPに流すことができるので(デュアル端末が出ていることが条件だが)、現行PHS基地局は、よりマクロセル的展開がしやすくなる。ハーフレート(16kbps)に加え、さらに半分のレート(8kbps)も可能にするならば、さらに音声面はマクロセル的展開がしやすくなるだろう。(そこまでするならXGPでも音声を流せるように政治をした方がよいとも思ったりするが。)

ウィルコムウィルコム向けコンテンツ製作用ページのリニューアル

WILLCOM|コンテンツを制作するなら全キャリア対応で! http://www.willcom-inc.com/ja/service/contents_service/create/info/index.html

これはとっととやってほしかった。
たしかに必要な情報がそろって、コンテンツ制作は楽になったかと。

ただ、ちょっと遅きに失した気がする。
たしかに、ウィルコム端末に搭載されているブラウザはフルブラウザで、対応は容易かもしれない。
ただ、モバイル向けサイトのCMSや、モバイル向けECサイトCMSは、もはや軒並み3キャリア対応で完成・パッケージ化し、売り出している。これからウィルコム対応することはコスト的に微妙な点が多すぎる。CMSという観点から見ると、遅すぎる。

ウィルコム、データ通信でドコモと提携との報道

…!!

第一報を聞いたときは、こんな感じだった。
面展開が心配だと上述したが、ドコモでMVNOするという手が一番(人的、費用的、時間的)コストが低いというのは誰の目にも明白だった。それをやるというウィルコムの判断が、的確すぎて(w)信じられなかった。ただ、たしかに増資もできなかったみたいだし、これ以外に一気に面展開を進める手もないだろうし、実現すればかなり良い。実現すれば。

・「WILLCOM LU」発売(08年12月)

中身は、「9(nine)」のスライド型端末(東芝ブランド)。調達の問題からあまり売り上げていないとの情報があとから入っている。

・訪日中国語ユーザー向け「Baidu PHSレンタルサービス」を開始

http://www.willcom-inc.com/ja/corporate/press/2008/12/05/index.html

対応端末は、WX310K

・そういえば、新型「9(nine)(折りたたみ型)」がガジェット対応な件について

去年、他キャリアがガジェット展開を開始すると新聞記事になっていたが、ウィルコムの方がその新聞記事より早かったりする。こういう風に最新の流れにキャッチアップ・キープアップしていくということは大切だと思う。(W+INFOもあるし、iチャネルにもついでに追いついているとも言える。)

ただ、一方で、ネットフロントベースのプラットフォームになったのはちょっと寂しい。やはり京ぽんといえば、Operaボタンだったしね。9(nine)は、もともとネットフロントベースだったから気にならないものの京セラの最新機種であるWX340KWX341Kは、メーラー・ブラウザともにネットフロントになった。
とはいえ、他キャリアのブラウザもネットフロントベースであることを考えると、流れとしては正しいのかもしれない。WX310KAH-K3001Vは、ブックマークレットが便利だったが、最新機種はどうなるのか興味がある。

WX310Kスペシャルパックで、ウィルコム定額プランが980円に

こういう風に限定で980円は、やると思ったが、旧端末限定でくるとは思わなかった。
WX310Kは、良い端末だが、W-OAMにも対応していない点などちょっと古かったりもするので、そこを基本料でカバーということか。

UQウィルコム、サービス開始に向け端末の包括免許取得

http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/43310.html

ほぼ、端末および基地局が出来ているということのようだ。
頓挫のうわさもあったらしいが、頓挫にしてはちょっと早すぎる。
ただ、もしも頓挫のうわさがとびかっているところに、ドコモでのMVNOの話が出てきていたら、「ウィルコムPHSを諦め、3Gに参入!?」とか言われてたかも。

・メールドメイン「@willcom.com」の開始

WILLCOM|メールアドレスの新ドメインwillcom.com」の導入について
http://www.willcom-inc.com/ja/corporate/press/2008/10/28/index_08.html

とうとう、willcomだとわかるメールアドレスがデフォルトに。ほうぼうで「.com」はどうだとかいわれてたり、入力しづらいとかいわれているけれども、どこのキャリアのドメインかがわかりやすいという点が一番良いように思う。ドメインなんて、だいたい定型文引用で入力するでしょ。「.com」が怪しいという感覚も、最近の人は分からないようにも思う。

それよりも、メールアドレスを変更しても、旧ドメインのアドレスを使えるようにするほうが重要。なぜそれが出来ない。それが出来ないうちは、知らせるのが面倒なのでメアド変更しません。したいけど。

GSM対応W-SIM端末を特別提供

GSM対応のW-SIM端末をスペシャルオリンピックス日本選手団に提供
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0901/19/news056.html

出た、GSM対応W-SIM。こりゃ、3G対応W-SIMも、もう出来てそうだな。
XGPをヨーロッパに持って行くと行くときには役立つかもしれない。3GのSIMもあればもっと良いかもしれない。

楽天PHS事業に参入

楽天PHS事業に参入 ネット通販と連携 モバイル-最新ニュース:IT-PLUS
http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=as1d18007%2019012009&landing=next

まぁ、楽天が携帯事業に、というのは無い話ではないだろうけれど。
どうやら、子会社のフュージョンの話のようだ。
PHS事業に参入する前に、とりあえず楽天モバイルウィルコムIPアドレスをはじくのをやめてくれ。
おいらなんか、もうすぐプラチナ会員だぞ(←ちょっとヘビーユーザー)

そこらへん、Amazonなんかは良い。ウィルコムにもW-ZEROシリーズにも対応してるし。
上述したように、CMSや、ECのCMSパッケージがウィルコム対応を外していることに鑑みると、モールへの対応は必須のように思う。今回、おさいふケータイ対応ということなので、楽天のアプリにも対応できるはず。なかなか厳しいかもしれないが、どうにかやってほしい。楽天は、今年もモバイルに力を入れるとのことだし。

・新機種発表、「WX340K」「WX341K

というわけで、新機種が来ました。
おサイフケータイ対応という点が最も大きな特徴ということのようです。
私は、ドコモ・SO905iCSとの2台持ちなのでおサイフケータイをちょいちょい使っていますが、かなり便利です。特に都内をJRやら地下鉄やら都心線やらで縦横無尽に移動する場合、めちゃめちゃ便利です。残念なことに通勤についてはTXだけで完結してしまうため、定期券は別に持っているという微妙な感じなのだが、ほんとに便利。

というわけで、おサイフケータイは大歓迎。その他の点は下記。

喜久川社長が言うには高機能モデル、すなわち「京ぽん改シリーズ」ではなく、「京ぽん」シリーズの後継だという。
たしかに、2.7インチ液晶、約200万画素AFカメラ・ライト付き、iWnn、ガジェット対応、デコラティブメール対応、フルブラウザ搭載、microSDJava、FlashLite3.0、スケーラブルフォント、豊富な内蔵メモリ容量、などなど、確かに高機能端末のようだ。ミュージックプレーヤーが無いけど。あとは、位置計測がどれだけ正確なのかという点とかそこらへんが問題になりそうだ。
現在のW-SIMAd[es]が、今年7月で2年なので、変えちゃおうかなとか思ったりもしています。

【長文注意】フルブラウザからフルインターネットの時代へ


かつて、DDIポケットからリリースされたPHS端末「AH-K3001V(通称『京ぽん』)」は、貧弱な端末性能と機能ながら、スマートなフォルムと軽量なボディの中に、現在の端末から見れば"使える"背面液晶と、フルブラウザOperaを搭載していた。これに、当時のDDIポケットが提供していたパケット定額制(つなぎ放題1x)とあいまって、当時としては、"真の"そして"唯一の"フルブラウジング端末だった。

これは、当時(今も、かもしれないが)、大手通信キャリアに比べて圧倒的に貧弱なコンテンツしか提供できていなかったDDIポケットが、「フルブラウジングを可能にすれば、PC向けに作られた豊富なコンテンツを提供できる。しかも、PC向けコンテンツは、量が豊富でクオリティが高く、さらに無料のものが多い。」というもくろみを抱き、実現したものだった。(と思う。少なくとも一因。)

これに加えて、「(当時としては)高速なパケット通信の使い放題」に対して、フルブラウザは、明白なキラーコンテンツだったという点も大きい。そこにかっちりはまるインフラと事情を抱えていたという事も手伝って、京ポンは、実現した。この京ポンのおかげで、DDIポケットウィルコムへとつながるだけの力や意識を維持できたといっても過言ではないだろう。当時、(すでに気づいていた人はもちろんだが)多数の人が、DDIポケットの可能性やPHSの可能性に加え、DDIポケットだからこそできることがあることに気づいた。それが、ウィルコムにも受け継がれているようにも思う。

DDIポケットが、PHSインフラ携帯端末のキラーコンテンツであるフルブラウザを提供してから、ウィルコムに変わり、もう一つの明白なキラーコンテンツを提供する。それが、「通話定額(ウィルコム定額プラン)」だ。

そういう視点で見れば、ウィルコムは、「明白に需要があるがどこも実現できない」ことを実現してきたにすぎない。それが画期的であったことは間違いないし、16年間のインフラ構築・技術向上のなせる技だと思う。

現在にもどってくると、ウィルコムは、その主戦場であるデータ通信市場で、苦戦を強いられている。というよりも、負けている。W-OAM TypeGという技術によって、確かに「ブロードバンド」の要件を満たす速度(384kbps)を実現できてはいるが、それは一部エリアの一部の時間の話だ。

京ぽんに触れ、フルブラウザの恩恵を享受し、便利さを味わった人は、次のトレンドはフルブラウザだろうと思った。そして、全てのキャリアが、現在、フルブラウザを搭載していることからみても、それは間違いではなかった。しかし、決してそれは最も用いられる使い方ではない。料金の問題もあるが、それ以上に、携帯端末には、携帯端末用に設計されたコンテンツが最も使いやすいという事実と、モバイルのコンテンツが豊富になり、PC向けコンテンツを引っ張りださなければならない場合には、PCを引っ張り出した方が早いというほど、携帯端末のブラウザと携帯用に作られたコンテンツが豊富だということだ。また、通常の携帯コンテンツ用ブラウザからも、キャッシュ上限はあるが、PC用のコンテンツを閲覧できる。公式サイトトップの検索窓からキーワード検索をすれば、Googleが、「その他PCサイト」という形で関連するサイトを見せてくれるのも大きい。
京セラが、高機能な京ぽんを出さないのは、きちんとマーケティングをしているからなのだ。

また、携帯で手軽に携帯向けコンテンツを利用できるならばそれでいいという考えの人がだんだんとマジョリティになっていることも大きい。PCのキーボードを使ったことは無いが、携帯で小説を書いてみたことがあるという人がいる時代なのだ。そういう人にとってPCと携帯は、その背景技術は同一だが、まったく別物なのだ。WiiNintendoDSの違いのようなものだ。PC版mixiよりも、モバイルmixiの方が使いやすいという人も多い。<a accesskey="">など携帯向けインターフェイスの貢献も大きいのだろう。

詰まるところ、PC向けに設計されたコンテンツを携帯端末で見ることには、「無理があった」ということなのかもしれない。そして、その「無理」を解消するスキルや好奇心を持つ人はあまりいないという事なのだろう。
PC用のコンテンツは、それに適した端末で見ることが望ましい。そして、PC用のコンテンツは、サイズが大きいため、快適といえる通信速度への要求も厳しい。そこに、ウィルコムは訴求できていない。

つまり、もうおわかりかとは思うが、フルブラウザ、通話定額の次のキラーコンテンツは、フルインターネット端末だったということだ。それは、PDAではなく、ネットブックだった。PDAは、解像度も処理能力も中途半端で、フルインターネット端末とはほど遠い。やはり、ASUSEeePCのような小型・軽量で、それなりのスペックとUSBインターフェイスをもつPCが、現在のキラーコンテンツなのだ。これらがキラーコンテンツたるゆえんは、安価であることが第一だが、省電力で小型で定額で高速なイーモバイルの存在が大きい。時代のキラーコンテンツキラーコンテンツとして売り出したのが、イーモバイルだった。あのインセンティブの額は異常だとも思うが、しかし、イーモバイルのやり方は、イーモバイルが出来て、ほかのキャリアには出来ないことだった。つまり、ウィルコムフルブラウザを出したこととほぼ同じ意味合いのことをしているのだ。

しかも、携帯電話として売り出すわけではなく、携帯世代は、PCを持っていない人も多いため、ウィルコムフルブラウザを出したのとは意味合いが全く違うように捉えられ、一般客や、PC世代の2台目需要にもマッチしている。
(それでも、月10万契約では、展開速度としては遅いと思うが。)

ウィルコムは、そこら辺をわかっていてか、WILLCOM D4を出した。500gちょいの端末を出したことは画期的かもしれないが、一般の人に受け入れられる価格ではないし、通信速度でも無い。あれを次世代PHSで、しかも安価に出したなら(端末代100円とか)売れるとは思うが、ウィルコムの体制的には無理があるだろう。

ウィルコムにとって問題は、現行規格PHSの通信速度が、(今となっては)遅いということでも、TypeGインフラが広がっていないことでも無い。まして、今純減していることでもないし、カーライルの動きが不穏なことでもない。

ウィルコムにとって問題は、今のキラーコンテンツを今すぐ提供することが出来ない以上、いかに早く(しかも体制的に無理なく)それを提供できるようにできるか、という点と、次のキラーコンテンツをどう捉え、それを提供できるようにどう進めるか、だ。

ドコモは、i-modeというキラーコンテンツを、auは、着うたなどのキラーコンテンツを、J-PHONE(現ソフトバンク)は、写メールというキラーコンテンツをそれぞれ見つけて提供して成長した。そして、ウィルコムは、フルブラウザと制限のない通信・通話というキラーコンテンツ(通話についてはまだキラーコンテンツなので、純増しているということだろう)を提供し、イーモバイルは、(安価な)ネットブックと高速・定額通信によるフルインターネットというキラーコンテンツをつかんでいる。

次はなんなのか。それを一つ示したのが、iPhoneであるし、Androidだ。iPhoneXGP対応にするのは難しいように思うが、XGP×Androidは、何とか可能なようにも思う。しかし、Androidは、ドコモが来年出すという情報もあるし、ウィルコムの現状ではそれに先んじるのは難しいだろう。

次世代PHSは、理想的な環境で20Mbps、実行速度は5Mbpsほどという予想もあるが、仮にそれが事実だったとして、速度と料金については問題が無くなるだろう。では、端末はどうなのか、WILLCOM D4を安価に提供するのだろうか。

もう一つの問題は、基本的に384kbpsの速度が安定して出れば、PC版コンテンツでもほぼストレスなく見られるという点だ。これくらいなら、ネットワーク容量の限界値が低いマクロセルネットワークでも速度を維持できるだろう。
そういう風に考えると、単に速度が速く、制限が無く、十分なエリアのインフラができあがったとしても、現状のイーモバイルに対して大きなアドバンテージがあるとはいえない。
イーモバイルが破綻することなく、エリアを十分広げたとすれば、通話定額も出来て、しかも端末の性能もウィルコムと比べれば全然高いわけで、ウィルコム定額プランの代わりにそちらが選ばれても不思議ではない。

現状、通信キャリアが抱える問題は、「インフラをどう作り上げるか」から、「インフラで何が出来るかをどう提案するか」に変わっている。もちろん、ウィルコムは、良いインフラを整えるだろう。だが、なんのためになのだろうか。M2Mなど、ビジネスとしてはいろいろ思いつくが、コンシューマー向けの新時代のキラーコンテンツは何も見えてこない。

もちろん、インターフェイスの改善と安定した高速定額通信は、あたらしいものを生み出すだろう。iPhoneAndroidのようなものだ。だが、それは果たして次世代のキラーコンテンツなのだろうか。

私のような凡人には、次のキラーコンテンツはわからない。SFでも良く見てみようか。

一つ思いつくのは、仮想現実技術と通信技術との組み合わせだ。たとえば、サングラスないしコンタクトレンズ型の携帯端末で、通話・音楽・ブラウジングはもちろん、GPSと併せて実際に見ている景色に仮想現実技術を組み合わせて表示し、道案内とかは便利そうだ。(同じく、仮想現実技術を使って、スカウター型端末で、見ている人の戦闘力を表示するアプリとかおもしろそうだw…あとは、QRコードを見たら、自動的にホームページやら画像やらが表示されるとか、野菜に付いてるQRコードをみたら、生産者からのメッセージが聴けるとか、商品を見たら、Amazon価格.com楽天の商品レビュー(平均値)がその場に見えるとか、おお、いろいろ便利&おもしろそうだ。)

XGPは、うまくいけば間違いなく良いインフラになる。通話のエリアがやや心許ないが、XGPが整えば、IP通話ということも考えられなくはないだろう。そこらへんはどうとでもなる。しかし、次世代のキラーコンテンツが全く突拍子もないもので、しかもそれが海外で生まれたとしたら、XGPは対応できるのだろうか。

そんなことを思いつつ、眠くなってきたので、眠る。しかし、スカウター型端末で、戦闘力表示アプリは、ちょっとほしい。「▲戦闘力5(ゴミ)」とか表示されたらおもしろい。


※追記
バッテリ技術の問題が解決しない限り、これらの実現は不可能であることを考えると、やはりしばらくの間、キラーコンテンツは、UMPCによるフルインターネットか、iPhoneAndroidのような新世代スマートフォンなのかもしれない。であれば、ウィルコムは両方に訴求できるはずで、ウィルコム的には問題ないのかもしれない。